Quadcept(クアッドセプト)の導入事例に「慶應義塾大学」様をご紹介

CASE STUDY

慶應義塾大学

いつだって、世界最先端

黒田研究室では、データ通信の高速化と低電力化という最重要課題に対して、(1)無線通信 (2)無線給電 (3)画像認識の3つの研究テーマを中心に、回路技術だけでなく、電磁界と回路を最適化する設計理論を研究開発している。SIP(System in Package)積層実装されたチップ間を磁界結合で通信することと数mmの距離をパルスで無線接続する通信技術の研究に関しては、世界でも最先端の研究室である。

水平展開のプラットフォームの上に個々のスペシャリティ要素を垂直に掘り下げる。

電気無線の理論、LSI・回路の論理設計、基板設計、シミュレーションと実践、実装までの技術を皆が共有しながら、それぞれ得意分野を突き詰めていく。マクスウェルの方程式など複雑な無線通信の理論をもとに、アンテナの設計を行い、LSIの回路設計に落とし込む。そして、基板の上に無線の通信と給電を同時に行うアンテナのパターンを書いていく。出来上がった基板をもとにシミュレーションを行い、理論と実践を繰り返しながらPDCAサイクルを回していく。無線通信を確立するには、電波を飛ばす必要がある。そのため、電波が勝手な場所に飛ばないようにアンテナから近い場所に閉じ込めながら、超至近距離での通信を確立しなければならない。この理論を実証するには、トライ&エラーを辛抱強く繰り返しながら研究を続けて行く必要がある。黒田研究室では10年以上このような研究を続けながら回路設計技術を積み重ねている。

約1mmの距離をパルスで無線接続するデモ約1mmの距離をパルスで無線接続するデモ
(中央の茶色の部分がアンテナ)

Quadceptを選定した理由

とにかく先が見えなかった電子CADの選定

それまで使っていた海外製の電子CADは感覚的に操作できなくて苦労しました。マニュアルを読んでも、その通りに動かない。チュートリアル通りに進めても、前に進まない。インターネットで調べてみても、ヘルプも出てこない。 これまでにも先輩たちが4~5人挑戦しましたが、全員撃沈していました。いつまでたっても基板を完成させることができませんでした。また、国内製の無料の電子CADは基本設計が古く、最新のコンピュータでは正常に動作しないこともありました。

Quadceptの使いやすさは他のものと比べ物にならない。

これは当たり前といえば当たり前と思うんですけど・・・。クアッドセプトはインターフェイスが洗練されていてすごく分かりやすく、他のソフトとは比べものにならないぐらい使いやすいです。そのため、学生でもすぐに使い方を習得でき、一人で基板を作れるようになります。企業のように1人の技術者が十年以上かけて電子CADのソフトの使い方に慣れるというのは、僕たちのように、毎年人が入れ替わる環境では適切でないと考えています。クアッドセプトは、習得時間も含めた生産性という点でいけば圧倒的に良いと思います。

やらされているのではなく、「独立自尊」

福沢諭吉の唱えた慶應の理念が実践できているのは、自分たちが世界で最先端の研究をしているということを論文でも実験でも体感することができているからだ。

また、研究が先輩たちの数多くの失敗の上になりたっていることを知っているので、先生や先輩へ感謝の気持ちを自然と持ち、オープンでお互いに教えあう環境ができている。

厳しい態度で後輩たちに接する研究のリーダー、博士課程の小菅氏。研究室に泊まることもあるが、飲み会や野球大会などで遊びながら楽しい雰囲気の中で研究を行っている。

未来のリーダー育成を

メンバーはIEEE(※1)の主催するISSCC(※2)などの世界的な半導体のカンファレンスでも、学部生の頃から発表の場が与えられる。こうすることで、世界最先端の研究や市場の中で早い内から揉まれる。また、諸外国に行って交流することにより、日本の立ち位置や自分たちの研究の目的を見出し、日々の勉強のスキルの向上にも正面から取り組むことが出来る。実務を通して体験する機会を学生に次々と与えていくのは、民間出身の黒田教授ならではの人材育成方法。そして、黒田教授はこの研究室の中から、半導体業界を世界的に牽引する人材が出てくることをまさに確信している。

ISSCC2014ISSCC2014
集合写真黒田研究室の皆さん
黒田研究室のメンバー黒田研究室のメンバー
今年75周年を迎える慶応大学理工学部今年75周年を迎える慶応大学理工学部

※IEEE (Institute of Electrical and Electronics Engineers)
アメリカの電気電子学会。1963年創設。本部はニューヨーク。
電気、電子工学、コンピューターなどの分野における技術の標準規格を定めており、その多くはISO(国際標準化機構)により国際標準として採用されている。

※ISSCC (International Solid-State Circuits Conference)
国際固体素子回路会議。半導体に関する世界最大の国際会議。半導体の最新の技術に関する発表が行われる。IEEEの主宰で年1回開催。

研究室慶應義塾大学 理工学部 電子工学科 黒田研究室
研究内容誘導結合を用いた近接場ワイヤレスチップ間通信や画像認識など
教授プロフィール 慶應義塾大学 理工学部 電子工学科 黒田忠広 教授
1982年東京大学工学部電気工学科卒 工学博士。
東芝にてCMOS集積回路設計を研究。
1988~1990年までカリフォルニア大学バークレー校にて客員研究員としてLSI CADを研究。
2000年に慶應義塾大学に移り、2002年より教授。
広島大学とカリフォルニア大学バークレー校の客員教授を兼任。
200件以上の技術論文を発表、100件以上の特許を申請。
VLSI回路シンポジウムなど多数の国際会議の委員長やプログラム委員を歴任。
2008 電子情報通信学会業績賞などを受賞。
IEEEフェロー、IEEE SSCS管理委員会メンバー、IEEE上級講師
所在地〒 223-8522 神奈川県 横浜市港北区日吉3-14-1 慶應義塾大学 矢上キャンパス
公式サイトhttp://ja.kuroda.elec.keio.ac.jp