導入事例「株式会社オーバル」

使い手が使いやすく、作り手が作りやすいものを設計する

  • 株式会社オーバル
  • 研究開発部 研究開発二グループ 課長 鷲尾健二 氏 主任 田名部義峰 氏
  • 研究開発部 研究開発二グループ 主任 田名部義峰 氏
株式会社オーバル
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必要な時だけ使える点と、使いやすいUIに惹かれた

Product / Service -
Circuit Designer PCB Designer

流量計測機器の最大手として

オーバルは昭和24年創業、日本初の容積流量計であるオーバル流量計を世に送り出して以来、数多くの流体計測機器や関連システムを開発、製品化してきた東証一部上場企業である。常に新たな領域を切り拓いている。

流体計測機器の最大手専業メーカーとして、これまで蓄積してきたノウハウを貴重な財産として、ファイン・フロー・マネジメントを事業の核とした多様な製品・システム群を創出し、

IoT時代の無線化、省エネ設計に対応

研究開発部では、月に7~8プロジェクトが動いている。早いもので一年、長いものでは三年の開発期間を要するものもあるという。一口に流量計といっても、原理によって製品は様々。楕円形のギアが二つ入っている容積式や、コリオリ、渦、超音波、電磁など、流量計だけでも10種類はあり、配管口径ごとに製品サイズも違う。他のメーカーと違い、オーバルは様々な種類の流量計を製造しているため、技術の引き出しが多く、幅広い業界の様々なユーザーに対して、ベストマッチな製品を提案できるのが強みだ。
また、独自の省エネ設計技術を背景に、多数ラインアップしている電池駆動製品を活かし、今後は、場所や電源を選ばず、無線でデータを送信するIoT対応製品のリリースも予定している。

Quadceptを選んだ理由

必要な時だけ使える点と、使いやすいUIに惹かれた

展示会でたまたま見掛けたQuadceptが出会いのきっかけです。学生時代から自分でアートワークもしていたので、値段も手軽で使いやすいUIを見て、これは良いと思い、まず個人で購入しました。社内の回路設計では他社製の高額なCADを使用していましたが、Quadceptの操作性の良いUIに惹かれ、1ライセンスを導入しました。

意外だったのは、部内の人間が何も違和感なくすぐに使えているという点です。そのようにして徐々にQuadceptを使える人間も増えてきたので、近い将来全面的に置き換える予定です。

また、回路図とPCBの製品が分かれていて、それぞれ一ヶ月から使えるようになっているので、無駄のない運用ができていますし、オンラインによるフローティングライセンス方式も使いやすいですね。

CADの高額な値段により内製化を半ば諦めていたアートワークが、社内で行えるように。

当社は基本的に回路設計を社内で行い、アートワークは社外にアウトソーシングしています。幾つか理由はあるのですが、大きな理由のひとつはCADが高額であること。社内でアートワークをしたくても、高額なCADを導入してまで・・・と考えると費用対効果を見出すことができませんでした。

しかしQuadceptは手軽に購入でき、欲しい機能がすべて搭載されているので、ちょっと基板設計してみようかなといった時でも迷わずに使えてとても便利です。またアウトソーシングをするにしても、自分たちである程度設計をすれば相手が何をしているのかが分かるし、作業の勘所をつかむことができるので、外注先ともコミュニケーションが取りやすくなっています。また事前に配置検討しておくと、リスクの洗い出しができ、最終的にリードタイムの短縮に繋がっています。

技術者として、いくら性能が良くても作りにくい、使いづらいものは世に出してはいけないと思っている。

設計する時はいつも「これを使う人ってどういうふうに使うのか?製造の人がそれを作るときはどうしているのか?」と、相手の状況を想像します。 そして、試作などの過程では、実際に製造に関わる方々から設計上の「ダメ出し」をして頂くために、製造現場に何度も足を運びます。技術者として、使いづらい、作りづらいものは世に出してはならないと思っているからです。いくらカタログスペックや性能が良く、規格や基準をクリアしていたとしても、使いにくく、作りにくければ、その人にとっての価値はないと思うからです。

現在、開発グループでは、フロントローディング手法(※)など、良いものを早く作るための取り組みを始めています。今開発中の新製品も実はいろんなアイデアが入っていて、お客様にとっても、製造する人にとっても良いと思ってもらえるだろうなという実感があります。開発側の論理で設計しやすいから、これは楽だからと言って、あとは製造の人に考えてもらうというようなやり方をしていると、後工程に影響が出てしまいます。ものづくりの流れの中で、自分より下流にいる人にとっての良い製品を世の中に出した時に、ああ、良い設計をしたね、と言われるのが、私達の誇りです。

※フロントローディング
製品開発プロセスでのフロントローディングは、一般に業務の初期工程(フロント)に負荷をかけ(ローディング)、作業を前倒しで進めることをいう。 特に製品開発における、初期段階での品質の作り込みのことを指す場合が多い。

会社概要

社名 株式会社オーバル
代表者 谷本 淳
所在地 〒161-8508 東京都新宿区上落合3-10-8
設立 昭和24年(1949年) 5月10日
Web http://www.oval.co.jp/