Quadcept(クアッドセプト)の導入事例に「株式会社新生工業」様をご紹介

CASE STUDY

株式会社新生工業

超音波モータの歩み

超音波モータは圧電セラミックに電圧を加えたときの変形を利用して回転する。その電圧の周波数が人の可聴音域(20kHz以下)を超えていることから”超音波”モータと命名された。1986年12月25日、駆動力にコイルやマグネットによる電磁力を一切利用しない、全く新しい駆動原理のモータとして超音波モータを新生工業が発売したのが世界で最初である。

新生工業の開発する超音波モータは、世界中の多くの企業や学術機関で採用され、超音波モータのデファクトスタンダードとして高い評価を得ている。新生工業では超音波モータだけでなく、モータ用の駆動回路も開発している。

小型・軽量、低速・高トルク、静音、非通電での高い保持トルク、非磁性環境で利用できるという特徴を活かし、①MRI、②ロボット、③搬送装置や計測器、④食品・薬剤攪拌機、⑤カメラのオートフォーカスなどに幅広く利用されている。

今よりも小型、省エネ、高出力であるモータが不可欠に

エネルギー問題や少子高齢化社会といったこれからの我々の生活を支える技術として、ハイブリッドカーや電気自動車、介護や人の生活支援を行うロボットの開発が進められている。そして、これらの製品を開発するためには、今よりも小型で扱いやすく、エネルギー効率が良く、高出力であるモータが必要不可欠といわれている。超音波モータは電磁型モータと比べ、トルク-重量比が優れており、ロボット用アームなど、多数のモータを必要とする装置の小型化・軽量化にも有効である。近年ではMRI装置付近など高磁場環境で利用できるモータとして、新生工業製非磁性型モータは非常に注目されており、医療機器向け組込用アクチュエータとして活躍している。
また、同社では真空での高速回転が可能な新型モータとして、高出力型静電モータの開発を進めている。

Quadceptを選定した理由

使いこなすほどに増していくCADへの要求。

今まで使っていた電子CADは「Eagle」とU社の製品でした。
学生の時に研究室で使っていて、資産であるデータがあるために使っていました。
しかし、時間がある学生時代は良かったのですが、いわゆる自動束配線、自動べタの機能がない(あっても使い辛い)ものでした。
このため、回路の規模が大きくなると束配線やベタGNDの修正がほぼ手作業となってしまい、一つのデータを仕上げるために非常に時間がかかることが問題でした。

また、友人からZ社のCADを勧められましたが、部品の管理が非効率的で使いづらいと感じられ、CADの乗り換え先としては開発の時間短縮にはならないため、不適切と思いました。 そこで、新しいCADの導入を目的に調査すると、基板作成CADメーカの基本姿勢として新しい機能を次々と取り入れていくメーカと従来の機能のマイナーバージョンアップにとどまってしまうメーカとに分かれる時代になってきたと感じました。 利用する側からすれば、使いやすく作業性が高い新機能をいち早く導入していくメーカのCADの方が魅力的です。 成長の勢いを感じられるメーカのCADを導入したいと思い、CADの展示会に行くことを考えました。

最初は軽い気持ちで使い始め、機能の豊富さに驚きました。

展示会でQuadcept(クアッドセプト)を知り、どんなものだろうと軽い気持ちでWebサイトを見てみると、設計に必要な要件は全部満たしていたので驚きました。そして新しい設計の時にはぜひ試してみたいと思っていました。
そこでクアッドセプトさんに連絡をとって、先にQuadceptの使い方の説明と実演講習に来てもらって使い方の説明をしていただいたのですが、これは非常に効果的でした。

その講習内容はビデオ撮影を許可していただいたので、今でもたまに復習して操作を見ています。文字だけのテキストと違い、操作方法を動きで見られるため、どのように操作すれば良いのかが簡単にわかります。そして、Quadceptでのアートワークのお手本を兼ねて、新設計の回路のアートワーク設計をクアッドセプトさんに依頼しました。これはQuadceptの機能と特徴を知る上で非常に勉強になりました。

CADの移行は覚えることが非常に多くて大変なのですが、この時には部品データの準備と回路CADの操作方法を覚えることに専念することができました。そして、作成していただいたアートワークのお手本データの細かな調整をしながら、Quadceptの特徴である回路CADとPCBCADの連携を深く理解することができました。また、データの管理方法について相談に乗っていただき、社内での部品設計ルール、データ管理ルールを明確にすることができたため、使いたい部品やデータが瞬時に把握できるようになりました。また、便利な新機能がリリースされるとオンラインバージョンアップで非常にスピーディーに自分の環境に組み込まれることも、Quadceptのすばらしい特徴の一つだと感じています。

人生最大の失敗?が今の自分につながる

「実は、私は大学時代の研究テーマに超音波モータを選んでしまい、大変苦労しました。人生の一番大きな失敗かもしれませんね(笑)。 超音波モータの設計は、摩擦、材料、機構、電気、回路という幅広い分野の知識がすべて必要となります。研究テーマとして始めた時はそこまで幅広い知識が必要で、限られた時間の中では進めることが難しいテーマであるとは思っていませんでした。もっと分野の幅をしぼった研究テーマにしておけばよかったと後悔するときもありますよ。 しかし、今思えばその時の苦労がすべて新生工業での今の生活につながっているので、実はすごく幸せなことだったのだとも思います。 なんだかんだで、20年近く超音波モータの研究をしています。超音波モータの研究はいつの間にかライフワークになってしまいましたね。 よりよい超音波モータを作るというテーマは、まだまだ学ぶことが多いですが楽しみながら進めています(笑)。」(多田氏)

超音波モータはもっと活躍できると思います

現在は、超音波モータ以外にも、モータが活用できる分野であれば積極的にかかわっている。 「超音波モータが持っている低速、高トルク、電源を切っていても姿勢維持ができるという特性はロボットの駆動部位が求める性能に非常に良くマッチしています。簡単に言えば、従来の駆動部のモータを超音波モータに変えた場合、駆動部のサイズを大きくすることなく装置全体での搬送トルクが向上し、また消費電力を低下させることができます。しかも、電源を切ってしまっても最後の姿勢をずっと維持することができます。このようなメリットを実感していただくため、技術・開発部ではロボットや搬送装置全体をイメージして駆動部位の要求を満たせる製品となるように開発を進めています。しかし、超音波モータのアピールだけを考えていても、それを使っていただけるお客様と巡り会えることはなかなか難しいです。そのため、自社だけではなく販売チャンネルの拡充を進めてお客様から直接お話しを聞くための機会を得るように努力しています。」と多田氏は語る。

現在、技術・開発部を代表する多田氏は、超音波モータが活躍できる新たな領域を求めて、モータを使用する様々なメーカやモノづくりの事業のコンサルタント、プロデュースも手掛けている。超音波モータを生み出したメーカである新生工業はその歴史におぼれることなく、最新の技術・システムを積極的に取込み、次なる一歩を踏み出そうとしている。

商号株式会社新生工業
設立1968年3月
事業内容超音波モータ、高出力型静電モータの製造、販売、および開発
本社所在地〒157-0063 東京都世田谷区粕谷2-1-8
電話番号03-3302-7677
ファックス03-3329-0066
企業サイトhttp://www.shinsei-motor.com