APIの高度なスキャン機能を網羅し、より大規模なデバイスへの対応を可能にしたSmartScanシリーズのフラッグシップモデルです。
550は350と共通の精密な制御アルゴリズムをベースに、4,150cm2の広大なスキャンエリアをカバーする自立型(スタンドアロン)筐体を採用。550mmの堅牢な4軸ロボットアームと150mmの深いZ軸ストロークにより、大型の車載電子機器やサーバー基板、さらには筐体全体まで、製品を分解することなく実機に近い状態での高精度な近傍界スキャンを実現します。
IEC 61976-3規格に準拠し、設計段階で複雑なノイズ源を確実に特定。電波暗室での「試験待ち」や「再試験」のストレスから解放し、開発のあらゆるフェーズにおいて評価プロセスの劇的な効率化を実現します。
SmartScan 550 主な特長
世界をリードするフラッグシップEMIスキャナ
550mmの大型4軸ロボットを採用。350の精密な制御技術をそのままに、大型デバイスやシステム全体をカバーするスキャン能力を備えた、シリーズ最高峰の電磁界解析プラットフォームです。
圧倒的な測定帯域と広大なスキャンエリア
100kHzの低周波から、オプションにより40GHz以上(使用するプローブおよび測定構成による)の超高周波帯域まで、極めて広い範囲をカバー。5G通信や車載ミリ波レーダー、高速サーバーなど、最先端の製品開発における高度なノイズ解析に威力を発揮します。
高度な視覚化と直感的な操作性
4,150cm2の広大なエリアをカバーする統合カメラを搭載。実機写真やODB++などのレイアウトデータ上で、大型・複雑な対象物に対しても直感的かつ正確なスキャン設定と解析が可能です。
安定性に優れた自立型プラットフォーム
大型の被測定物を安定して保持できる自立(スタンドアロン)型。堅牢な構造により外部振動の影響を最小限に抑え、長時間の自動スキャンにおいても極めて高い再現性を可能にします。
SmartScan 550 対応技術一覧
- EMI(電磁妨害波測定)
- 不要放射ノイズの分布測定
- ESM(表面走査モード)
- 基板表面の電磁界マッピング
- 位相測定・共振スキャン
- 高精度な波形・共振特性解析
- ESD関連評価(放電影響の観測・解析)
- 静電気放電による誤動作箇所の特定
- RFイミュニティ評価支援
- 外来電磁波に対する局所的な耐性評価
- 電流拡散解析
- 基板上のリターンパスおよび電流分布の可視化
SmartScan 550 主な機能ピックアップ
高精度550mm 4軸ロボット制御
550mmの大型アームを採用。100μmの精度と50μm未満の繰り返し精度を維持し、自立型モデルならではの安定した精密スキャンを実現します。
多彩なプローブ・測定技術への対応
低周波から40GHz以上(使用するプローブおよび測定構成による)の広帯域に対応。EMI、ESD関連評価、RFイミュニティ評価支援などの幅広い解析技術を、150mmのロングストロークを活かして、背の高い部品や筐体内部の測定においても柔軟に実行可能です。

高さ追従スキャン(Constant distance scan)
150mmのZ軸ストロークとタッチセンサーにより、凹凸のある複雑な立体構造物でも一定距離を保った正確なスキャンが可能です。

直感的なスキャンエリア・エディタ (SAE)
4,150cm2の広大なエリアから、統合カメラの写真上で点・線・矩形など任意のスキャン範囲を直感的に指定できます。

電磁界強度の自動計算(Field calculation)
スペクトラムアナライザの測定値(dBm/dBV)を、磁界強度(A/m)や電界強度(V/m)へ自動的に変換。
設計変更による効果を客観的かつ定量的に評価できます。
外部連携とレポート出力
- 主要計測器メーカーに対応
Keysight Technologies、Rohde & Schwarz、Tektronixなどの主要なスペクトラムアナライザとシームレスに連携。既存の設備を活かした自動測定が可能です。 - 高度な解析支援
MATLABをサポートし、取得データの高度なポスト処理に対応。将来的なライン組み込み等の自動化ニーズにも応える拡張性を備えています。 - レポート自動作成
測定結果はMS Word/Excel形式で即座にレポート化でき、資料作成の工数を削減します。
事例
大型・複雑な通信ユニットの干渉解析
GSM(860/1,950MHz)やWi-Fi(2,400MHz)向けに設計された狭帯域プローブを用い、特定の周波数帯におけるノイズ感度を精密に調査。大型の車載電子機器から高機能なウェアラブル端末、高密度なIoTデバイスに至るまで、実機動作時の深刻な通信不具合(感度抑圧)の原因箇所をピンポイントで特定します。

立体的な電磁界分布の分析(筐体レベル)
大型基板や筐体ユニット全体のスキャンに対応し、システムレベルでのノイズ放射・結合経路を特定。実稼働状態に近い環境での電磁界挙動を明らかにします。
- 3D・断面表示
3D表示や「カット面(cut-planes)」機能を用い、筐体内部の立体的なピーク発生箇所や、構造物に沿った電磁界分布を可視化。 - 多層表示
複数のレイヤーを重ねて表示し、異なる高さや条件での測定結果を比較解析。筐体から離れた位置への放射・減衰特性を広範囲に把握。

遠方界予測とシステムレベルのシールド評価
大型筐体全体の設計や、実機レベルでのシールド材(ガスケット・吸収材等)の効果を定量化。開発後期の適合試験(電波暗室)における不合格や、それに伴う大幅な設計手戻りを未然に回避します。
- 遠方界変換(オプション)
位相測定に基づく広範囲な近傍界スキャンデータから、指向性や最大放射パワーを算出。暗室での実測前に、設計現場で放射特性の相関を把握。

- シールド効果評価(SEE)
SEEパッケージにより、大型筐体やドア・パネル等のシールド性能を検証。実機稼働状態における漏洩箇所を特定し、シールド対策の妥当性を評価。