導入事例「株式会社Braveridge」

自社製品はすべて国内製造、社内一貫生産にこだわる。

  • 株式会社Braveridge
  • 技術担当取締役(CTO) 小橋 泰成 氏
株式会社Braveridge
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スピード開発を下支えしてくれているのがQuadcept

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BLE、LoRa、sigfox 無線通信技術を軸にIoTの世界で輝きを放つ
業界屈指のテクノロジーカンパニー

無線通信技術を中心にIoT向け製品の開発、製造などを行う株式会社Braveridge(ブレイブリッジ)。IoT製品の普及によりBLE(Bluetooth Law Energy)、LoRaWANなど低消費電力通信技術が注目される今、業界内で知らない人はいないという屈指のテクノロジーカンパニーである。

日本のBLEモジュール業界では国内向け製品に限ればシェア8割という規模にまで成長。さらに2017年には、省電力で広域をカバーできる新たな無線通信規格「LoRaWAN」対応機器の研究開発と量産化を図るため、福岡県の糸島リサーチパーク内に新工場をオープンした。

大手メーカーから独立し、2004年に吉田剛氏(現・代表取締役社長)と共に創業した小橋泰成氏は技術担当取締役(CTO)を務めている。電気エンジニアとしての妥協なき技術に対する姿勢は、ものづくりのすべての工程、例えば、電子回路設計から基板、部品実装、機構開発、金型製造、デザイン、ソフトウエア開発までといった工程を社内で一気通貫し、顧客ニーズに迅速に対応するための設備環境づくりに表れている。また、「信用・信頼・恩義」を経営哲学としている小橋氏は、サプライヤーや協力会社などのパートナーを大切にし、製造コストの安価な海外ではなく、国内生産、メイド・イン・ジャパンを貫いている。これら妥協なき姿勢が、高品質な製品を次々と生み出す原動力であることは間違いない。

Quadceptを選んだ理由

自分たちの技術を形にできたのは、Quadceptのおかげ。
日本で一番Quadceptを使っているという自負があるからこそ、要望もしっかり伝える。

エンジニアって、自分が考えたことやひらめいたことを図面という技術言語に翻訳し記録しておかないといけないのです。CADとは、エンジニアにとっての『刀』だと思うのです。その『刀』がなまくらではまったく実践に使えないのです。私たちは自身の使用状況に合ったCADへと変更すべく覚悟を決めて、散々探して試してきたのですが、細かいところで採用断念を繰り返していました。2年以上探し回った末に、Quadceptに出会いました。

現在、Quadceptは5ライセンス稼働中なのですが、おそらく稼働率は日本で一番じゃないかというくらいフル回転で使っています。毎週のように試作開発をしているので、開発担当者全員がQuadceptを使いこなせるようにしています。例えば、新人教育のために、Quadceptの操作マニュアルも社内で自作。シンボルやフットプリント、部品はすべてオリジナルで作成し、属性情報もカスタマイズして購買部門と連携しています。それくらい機能には精通しているつもりです。とにかく、思いついたアイデアはどんどん開発し、試作するのが自分たちの開発スタイル。そのスピード開発を下支えしてくれているのがQuadceptなのです。

弊社の技術者とは、「Quadceptがなかったら、どうなっていたかと考えると恐ろしくなるよ。」と会話することがあるほど、このQuadceptとの出会いには感謝しています。

Quadceptをそれくらい使いこなしている立場から、このCADの良さと素晴らしさを広めていきたいし、伝えていきたいと思っています。そのためにも自分たちが便利だと思うことや、こうした方がいいと思ったことは率直にパートナーサポート部に伝えるようにしています。また、使い方などをユーザー同士で共有する実践的なユーザー会なんかを企画したら面白いと思いますよね。回路図つくるのってどうやっているのかの情報交換とかも面白いと思います。Quadcept初心者の方は特に知りたいのではないでしょうか。そういう意味では、Quadceptが中心となって、回路設計とレイアウト設計の「これから学ぶ人のための」コミュニティを作ってもらいたいですね。

自分たちは、「うまくいったこと」は話さない。
仕事とは、「うまくいかないこと」を一つずつ潰していくことだから。

創業してから今までの14年間は決して順風満帆だったというわけではありません。部品の不良をつかまされたり、海外の部品メーカーに直談判に行って契約を取り付けたり。いろんなことがありましたが、そのたびに頭を振り絞って戦略を考え、乗り越えてきました。技術の世界も戦国時代と同じで、諜報と調略による製品戦略が肝になると思っています。当社のように大企業と比べて規模の小さい会社は、この戦略という部分がとても重要です。どういう技術がこれから必要なのか、現実的なのか、どういう通信技術が注目されるのか。リサーチから極秘の情報も収集し、我々が活かせる方法を見つけ、採用する部品を選定し、評価し、調達する。そのためには、やはりビジネスパートナーであるメーカーやサプライヤーとの堅牢な協力関係が不可欠です。ビジネスでは信用と信頼が何よりも大切ですので、支払いはすべて前金、双方がハッピーになれる血の通った関係構築に尽力しています。部品の不良がでてもメーカーに怒ったりしません。これは最も重要なことだと思っています。なぜなら、協力していただいてる企業はすべて仲間ですから。

また、自分たちは無線モジュールのメーカーと思われがちですが、実はEMSの会社なのです。受託開発といっても言われたままの開発はしたことがありません。必ず口も知恵も出します。そういう中で培ったノウハウと、基板から機構、金型、デザイン、ソフトウエアまでの工程をすべて自社内、一気通貫でやっているということも、取引先からの信頼を得ている理由の一つなのかもしれません。

CEOの吉田とは互いに、「うまくいったこと」を褒めたりすることは、まずありません。「うまくいったこと」は、あえて話す必要がないからです。「うまくいかないこと」を一つずつ潰していくことこそが仕事だと思っているからです。まったく新しい製品企画を始めますと、設計から製造、そして営業的な面での課題点やダメな部分を徹底的に出しあい、あたかも批判・否定合戦のようです。自分たちの中で徹底的に問題を指摘しあい、その解決方法を一つずつ積み上げていくと、結果的には3年程かかります。この内部での徹底的な批判と反論を乗り越えた製品でないと、市場で受け入れられるような製品には仕上がらないと思っています。

私はCTOとはいっても部下のエンジニアとは雑談や立ち話を繰り返して、常に課題点や問題点、その解決案をフランクに話しています。そして、失敗しても「一生懸命やった結果だから、しょうがないね!だってそれがベストだったのだから!」と言って笑い飛ばすようにしています。そういうエンジニア気質の集団でありたいのです。

今は、無線モジュールだけではなく、通信インフラ、クラウドサーバーの部分も自分たちで構築し、オールインパッケージとして提供できるような新サービスを開発中です。5月のワイヤレスジャパンで発表予定ですが、このサービスによって、もっと世の中が便利になると信じています。

会社概要

社名 株式会社Braveridge
代表者 小橋 泰成
本社所在地 〒819-0373 福岡県福岡市西区周船寺3-27-2
糸島工場 〒819-1122 福岡県糸島市東1999-19
設立 2004年(平成16年)7月
九州情報大学ベンチャー支援センターにて創業
Web https://ssl.braveridge.com/