APIの高度なスキャン機能を網羅した、SmartScanシリーズの中核をなすメインプラットフォームです。
350は4軸ロボットを採用した卓上モデルとして、プローブ着地点の精密な制御と高速スキャンを実現。25μmという極めて高い位置精度により、スマートフォンやウェアラブル端末などの高密度な多層基板において、ICのピン単位でのノイズ特定を可能にします。
IEC 61976-3規格に準拠し、設計段階でノイズ源を特定することで、電波暗室での試験のやり直し(リテイク)を最小限に抑えます。現在の電子機器開発において、精度と運用性のバランスが最も優れた“メイン機”として、開発コストと期間の劇的な短縮に貢献します。
SmartScan 350 主な特長
世界初のシステムレベルEMIスキャナ
350mmの4軸ロボットを採用し、プローブ着地点の精密制御と高速スキャンを実現した、業界初のシステムレベル電磁界耐性スキャナです。
圧倒的な測定帯域
100kHzの低周波から、オプションにより40GHz以上(使用するプローブおよび測定構成による)の超高周波帯域まで、極めて広い周波数帯の測定をカバーします。次世代通信(5G)や車載ミリ波レーダーを見据えた、最先端の製品開発におけるノイズ解析にも対応可能です。
高度な視覚化と直感的な操作性
統合カメラによる実機写真やODB++レイアウトデータと連携。写真上で直感的にスキャンエリアを設定でき、測定結果を基板画像上に重ね合わせ表示(オーバーレイ)することで、ノイズ発生箇所を視覚的に把握できます。
省スペースな卓上モデル
限られたスペースでも設置可能なコンパクトなデスクトップ型。既存の作業環境を大きく変えることなく、スムーズに導入いただけます。
SmartScan 350 対応技術一覧
- EMI(電磁妨害波測定)
- 不要放射ノイズの分布測定
- ESM(表面走査モード)
- 基板表面の電磁界マッピング
- 位相測定・共振スキャン
- 高精度な波形・共振特性解析
- ESD関連評価(放電影響の観測・解析)
- 静電気放電による誤動作箇所の特定
- RFイミュニティ評価支援
- 外来電磁波に対する局所的な耐性評価
- 電流拡散解析
- 基板上のリターンパスおよび電流分布の可視化
SmartScan 350 主な機能ピックアップ
高精度4軸ロボット制御
25μmの位置精度と50μm未満の繰り返し精度により、微細なポイントも正確に捉えます。
多彩なプローブ・測定技術への対応
低周波から40GHz以上(使用するプローブおよび測定構成による)の広帯域に対応。EMI、位相測定に加え、ESD関連評価やRFイミュニティ評価支援など、多彩な解析技術を4軸ロボットによる高精度な制御で実行可能です。

高さ追従スキャン(Constant distance scan)
タッチセンサーが対象物の凹凸を検知し、常に一定距離で測定。
エリアごとに個別の高さ設定も可能です。

直感的なスキャンエリア・エディタ (SAE)
統合カメラで撮影した写真上で、点・線・矩形など任意の形状のスキャン範囲を直接指定できます。

電磁界強度の自動計算(Field calculation)
スペクトラムアナライザの測定値(dBm/dBV)を、磁界強度(A/m)や電界強度(V/m)へ自動的に変換。
設計変更による効果を客観的かつ定量的に評価できます。
外部連携とレポート出力
- 主要計測器メーカーに対応
Keysight Technologies、Rohde & Schwarz、Tektronixなどの主要なスペクトラムアナライザとシームレスに連携。既存の設備を活かした自動測定が可能です。 - 高度な解析支援
MATLABをサポートし、取得データの高度なポスト処理に対応。将来的なライン組み込み等の自動化ニーズにも応える拡張性を備えています。 - レポート自動作成
測定結果はMS Word/Excel形式で即座にレポート化でき、資料作成の工数を削減します。
事例
特定通信規格の干渉解析
GSM(860/1950 MHz)やWi-Fi(2400 MHz)向けに設計された狭帯域プローブを用い、特定の周波数帯におけるノイズ感度を精密に調査。
スマートフォンやIoTデバイス、車載電子ユニットなどの無線機器の開発現場において、深刻な通信不具合(感度抑圧)を招いている原因箇所を、基板レベルでピンポイントに特定します。

立体的な電磁界分布の分析
基板のパターン設計の妥当性確認に加え、部品実装後や筐体内部におけるノイズ放射・結合経路を特定。実稼働状態に近い環境での電磁界挙動を明らかにします。
- 3D・断面表示
3D表示や「カット面(cut-planes)」機能を用い、基板上のピーク発生箇所や、断面方向への電磁界分布を可視化。 - 多層表示
複数のレイヤーを重ねて表示し、異なる高さや条件での測定結果を比較解析。空間的なノイズの広がりや減衰特性を把握。

遠方界予測とシステムレベルのシールド評価
試作段階の筐体設計において、ガスケットや吸収材の選定基準を定量化。開発後期の適合試験(電波暗室)における不合格や、それに伴う大幅な設計手戻りを未然に回避します。
- 遠方界変換(オプション)
位相測定に基づく近傍界スキャンデータから、指向性や最大放射パワーを算出。暗室での実測前に、設計現場で放射特性の相関を把握。

- シールド効果評価(SEE)
SEEパッケージにより、筐体やシールド材料の遮蔽性能を検証。実機稼働状態におけるシールド効果の不足箇所を特定し、シールド対策の妥当性を評価。