TLP / FD
SmartScanオプション「TLP / FD」は、基板上へ超高速パルスを局所注入し、ESD誤動作の検出・可視化を行うESD解析ソリューションです。
従来のESDガン試験では難しかった再現性の高い評価や誤動作箇所の特定を支援し、解析時間短縮と設計品質向上に貢献します。
TLP / FDのシステム構成と役割
TLP(Transmission Line Pulse)
制御された超高速パルスを対象箇所へ局所的に印加し、再現性の高いESD耐性評価を支援します。
FD(Failure Detection)
パルス印加中の基板動作を監視し、信号変化や異常動作をリアルタイムに検出します。
課題と導入効果
- 現状の課題ESDガン試験は再現性が低く、誤動作発生時の原因特定が難しい
- ESDガン試験では放電条件が安定しづらく、同じ症状を再現できないケースがあります。誤動作が発生しても、基板上のどこが原因なのか特定が困難です。
- 導入後の効果
- 制御された超高速パルス(TLP)により、同一条件での繰り返し印加が可能になります。SmartScanと連携することで、誤動作発生箇所をマップ上で可視化できます。
- 現状の課題目視による監視で、評価工数が増大
- エラー発生確認を人手に頼るケースでは、評価効率や判定再現性に課題があります。
- 導入後の効果
- FD(Failure Detection)機能が、パルス印加中の信号変化や異常動作を自動監視します。目視確認への依存を減らし、評価工数削減と判定基準の均一化を支援します。
- 現状の課題試験中の熱破壊で解析が中断
- 過度なエネルギー印加により、試作基板が破損してしまい、継続評価が困難になる場合があります。
- 導入後の効果
- 短時間の超高速パルスを用いることで、熱影響を抑えた評価を支援します。
- 現状の課題対策後の比較評価に時間がかかる
- ESDは可視化することが困難なため、対策前後で測定条件を揃えた比較が難しく、評価工数増加につながります。
- 導入後の効果
- 同一条件下で測定を繰り返し行い、ESDを可視化することができるため、対策効果を定量的に比較・検証できます。
システムとしての主な特長
SmartScanシリーズと連携し、基板上をスキャンしながらESD耐性のマッピング評価を行います。
測定結果は、各座標における誤動作の有無や耐性傾向を可視化した「ESD耐性マップ(イミュニティマップ)」として表示されます。
- 誤動作発生座標の特定
- 印加電圧ごとの誤動作発生分布
- 対策前後のマッピングデータ比較
- 同一条件下における再現性確認

不要輻射の影響を抑えた局所解析
TLPを活用することで、不要な空間放射の影響を抑えながら局所注入を行い、周辺系への不要なノイズ結合の低減を支援します。
熱影響を抑えたパルス印加
サブナノ秒級の高速立ち上がりパルスにより、測定対象への熱負荷低減を支援します。
システム独自のアルゴリズムによる表面電流密度の再構成例
TLPパルス注入時における表面電流密度分布の可視化例
構造ごとの電流分布や時間変化解析を行った例です。
FD(Failure Detection)の特長
監視機能
アナログおよびデジタル入力を搭載し、パルス印加時の各種信号変化をリアルタイムに監視します。
エラー判定
電気的信号変化に加え、製品(EUT)側ソフトウェアからの異常通知信号などを用いたエラー検知に対応します。
シーケンス制御
専用ソフトウェア上で、パルス印加、誤動作監視、異常検知後の製品リセット(再起動)までの試験シーケンスを自動実行できます。
システム構成
TLP / FDシステムは、SmartScanシリーズと連携し、ESD誤動作解析を行うためのハードウェアユニットおよび専用ソフトウェアで構成されています。
- TLPパルス生成ユニット
ESD誤動作評価用の高速パルスを生成・出力するメインハードウェア - FDコントロールユニット
測定対象(EUT)の動作状態を監視・判定するためのインターフェースユニット - 専用ESDプローブ・接続ケーブル一式
局所領域へのパルス注入および各種信号監視を行うための専用アクセサリ - SmartScan統合ソフトウェア(FDモジュール含む)
SmartScanステージ動作、パルス印加、異常検知、マッピング表示を統合制御する専用ソフトウェア
TLP / FDに関するお問い合わせ
- ESDが飛んできた際のESDの耐性を可視化したい
- 実機での電流拡散経路を可視化したい
- 手持ちのSmartScanへ追加導入できるか確認したい
- 評価対象への適用可否を相談したい
…など、お気軽にお問い合わせください。
お客様の評価環境に合わせた最適なESD解析ソリューションをご提案いたします。